■１番人気・１着■　クラシックなどでＧⅠウイナーを輩出している２歳最初の中距離重賞は、今年もスターが候補が集まり出世レースとなるか注目された。デビュー戦の７馬身差快勝で１番人気を背負ったが、試金石の一戦で爆発的な末脚を繰り出しクラシック候補に名乗りを挙げる。デビュー戦は函館1800ｍコースで２番手追走から持続力ある末脚で後続を完封する圧勝で、上りも他馬を圧倒して次元の違いを見せ付けていた。今回は短期放牧明けながら函館競馬場で好内容の追い切りを消化し、当週の札幌本馬場追いもバネの利いた走りで好素材ぶりを発揮し、２カ月ぶりの実戦も好仕上がりを見せ１番人気に推されていた。レースではデビュー戦と異なり後方待機策を取る。前半大きく落ちたペースが不利と思われたが、３コーナーから仕掛ける有力馬の後ろから最後に仕掛ける形で大外を追い上げ、４コーナーではかなり外を回るロスがあったが、直線では逃げ込みを図る２着馬に唯一迫りゴール前でキッチリ捕えて重賞初制覇を飾った。時計のかかる馬場状態ながら上り３Ｆは他馬を大きく上回る35.0秒をマークし、高いポテンシャルは疑う余地がない。デビュー２戦がともに滞在競馬でハービンジャー産駒で洋芝が向いたのは確かであるが、購買価格２億超えの評判馬が中央場所の高速馬場でどのようなパフォーマンスを見せるか、クラシックに向けての動向に大注目していきたい。

■１番人気・１着■　中央場所に戻りクラシックを目指す素質馬が続々とデビューを迎える時期となった。開幕週の新馬戦からは断然人気に応えるレースセンスと瞬発力で初陣を飾ったこの馬を取り上げる。高額取引馬は不在も好調教馬が揃い12頭ながら中山1800ｍのトリッキーコースで激戦が予測された一戦。中でも中間の追い切りで軽々と好時計をマークし、ラストのキレを披露していたフォルテアンジェロが1.8倍の断然人気に推された。厩舎サイドでは良くなるのは先とコメントしていたが、パドックでも堂々と落ち着き払った周回が目立ちメンタルの強さも垣間見せていた。レースでは３番枠から好スタートを決めて先団直後の内々を確保し、スローペースでもピタッと折り合い操縦性の高さを感じさせる。終始包まれながらの追走で手応えは楽もスパートのタイミングを失っていたが、直線残り200ｍで１頭分できた狭いスペースを突き、瞬時に突き抜けてゴール前外から迫った２頭を抑えて初陣を飾った。ゴール前の追い風でタイムが出やすかった事もあるが、ラストは11.3-11.0秒の加速ラップをマーク。直線で一気にペースアップしたところで狭いスペースを割って突き抜けた加速力は素晴らしいものであった。高いレースセンスと瞬時の加速力を武器に、強敵相手となる次走以降にどのような走りを見せるか注目していきたい。

■４番人気・４着■　人気を上回る結果には至らなかったが、直線でのロスが響きながら今回も少差に好走し、次走以降にも期待できる走りを見せている。２歳時に小倉フェニックス賞を３馬身差で快勝し、1400ｍに距離延長されたファンタジーＳも12番人気ながら３着に好走して世代短距離のトップクラスの評価を得る。その後はマイル戦の阪神ＪＦや桜花賞などで馬体減の影響もあって大敗が続いてしまう。その後は短距離戦に戻り葵Ｓで３着に好走してその後は1200ｍ戦に絞っての参戦。２勝クラスを卒業した後は馬券内の好走はなかったが、確かな末脚で勝ち馬と差のないレースを続け、今回は開幕週の1200ｍ戦を求めての関東初遠征となっていた。好スタートから内の各馬を行かせて中団に待機し内々追走でジックリ脚を溜めていたが、終始包まれ通しで外に出すタイミングが全くないまま直線を向かえてしまう。直線でも前に壁があり外からも被されている状況で全く追えず、残り200ｍから漸く進路を確保して追い出すも抜け出していた勝ち馬や、外からスムーズに仕掛けた２着馬に有利に働いて惜敗を喫してしまった。ラスト11.2-11.4秒と速い中でスムーズに追えなかったが、ゴール前の脚は目立っており進路さえ確保できていれば際どい勝負になったと予測できる。３歳時は420キロ台であった馬が今回は450キロとパワーアップしており、苦戦していた坂コースでも末脚を発揮できたのは収穫となる一戦であった。近走の堅実な走りからもオープン昇格に目途が立ち、今後は馬券内好走の期待は十分で1200ｍ戦ならコースを問わずに狙ってみたい馬である。